ストーリー
鍋蓋行商によって人の心に触れた主人公近藤大作は、一年遅れて念願の八幡商業学校に入学する。しかし、父親の要求は厳しいものであった。塩踏み奉公(実務見習い)をしながら勉学の道を歩めというのだ。そこには、商人に欠かせない実務を少しでも早く会得させたいという深い親心が秘められていた。
当時、八商には他には見られない大きな教育行事があった。海外研修旅行だ。自立心に燃える大作は、その費用を自分で捻出しようと試みる。しかし、時代(昭和初期)はちょうど世界的な経済不況の暗雲がたちこめている時であり、計画は思うようには進まない。大切な学友小森とも、在日朝鮮人(現在の韓国)金さんのことで喧嘩別れしてしまう。学友たちは旅行費捻出に苦心する彼をみかねて、「家に助けてもらえ」と助言する。
だが、大作はあくまでも初心を貫く。そんなある日、金さんのちょっとした言葉から行商のヒントを得た彼は、ついに朝鮮行きの道を切り開く。海を渡り異国の地を踏んだが、風俗習慣の違い、言葉の難しさ、そして自身の思惑は外れて苦難の道が続く。
大作はその苦しみの中から、「客とは何か」「売るとはどういうことか」を掴みかけていく。
〈カラー150分〉










